ただ、道はあったらしい。

楽しく実を摘んでいると、突然、頭上で、


「シュタッ」


という、尋常じゃない足音がした。

犬、じゃない。

もっと強い筋肉で、もっと大きな体で翔けた音だった。

驚いて見上げると、植物の隙間から、駆け抜けてゆく、黄色字に黒の模様の生き物が、ちらっと見えた。