「ここは―――」
部屋は扉の大きさからは想像もつかないくらい広く、学校のグラウンド4個分の広さはある。
そして、またこの部屋も真っ白だ。
「みなさん、ここが“1F TR”(1カイ トレーニングルーム)です。ここでは実際に低レベルのマゼルと戦ってもらいます。」
隆さんは何もない広い空間に手をかざし説明する。
「トレーニングルームは各階に1つついています。そして、階を上がるごとにマゼルのレベルは高くなっていきます。」
すると隆さんはスッと上を向いた。
「調子はどう?」
隆さんが何もない天に向かって問いかけると、どこからか、男の声が聞こえてきた。
「…あぁ〜。問題なしだ。」
男はなんだか寝起きのような口調で答える。
「彼は和民 幹太(ワタミ カンタ)。トレーニングルームの管理者だ。モニタールームでこちらを監視している。」
「よろしくね〜ん。」
スピーカーから喋っているような声が響き渡る。
「では、そろそろ次の部屋に移動します。エレベーターへ。」
隆さんはみんながエレベーターに乗ったのを確認すると、こんどは“2F CM”のボタンを押した。