―中学―
俺はいつまでたっても学校に馴染めないでいた。
もともと、人と触れ合うのが苦手だった俺は、いつも一人でいた…。
でも、一人でいるのに苦は感じなかった。
小学生の時から、いつも一人でいたせいか、慣れてしまったのだろう。
何人かは俺に話しかけてきたりしてくれた。
でも、俺の態度が気に入らないのか、すぐに離れていった。
その後も、校則違反の髪染めをし、ピアスをあけ、中学生とは思えない格好をしていたせいか、俺に近ずく人はいなくなった…。
しかし、中学1年の夏、ある一人の男が話しかけてきた。
「ねぇねぇ!一緒に理科室行こーよ!」
次の授業は理科だ…。
『こいつは…。あぁ。同じクラスの…熊谷なんとかか。』
彼は明るく、みんなから好かれ、中学に入ってすぐクラスの人気者になっていた。
なぜ俺なのか―。
そんな疑問を抱きながらも、断る理由もなく、俺は一緒に理科室に行くことにした。