「昨日なんかあった?俺、電話したんだけど…。」
雅樹は少し不満そうな顔で言った。
「ったく…。お前は俺の彼女かよ…。昨日は疲れきってたから速攻で眠りについたんだよ。」
俺は頭をかきながら雅樹に言う。
「そっかあ。まあ、俺が賢吾に電話無視られんの、これが初じゃないしな!」
雅樹は満面の笑みで言う。
「お前…軽く失礼だぞ。」
しばらく歩き、学校に着いた。
「雅樹おはよ〜!」
「おはよー!」
相変わらず、朝から雅樹に皆群がる。
俺はその間に席に着く。
そして、昨日のことを思い返す…。
『あの組織…。岸水雨斗の言葉…。やっぱり、あれは本物の組織なのか?そして、俺達は戦わなくてはいけないのか…?』
俺が考えていると、雅樹が俺の前の席に座った。
「賢吾ー。置いてくなよな〜。ってか、なんか悩み事?ずっとうつむいてるけど…。」
雅樹が俺の顔を覗く。
「いや。なんでもない。」
俺が誤魔化すと、賢吾は安心した表情で言った。
「ならよかった!なんかあったら言えよな!俺ら、親友だろ!?」
『親友……か。』
その言葉を聞き、俺は雅樹と出会った日を思い出した…。