「言っとくけどさぁ…。君達は組織に協力するために来たんだろ?今さら無理なんて言わせないよ?しかも、君達は既に契約者にサインしている。組織の為に…力を尽くすと。……もう逃げられないんだよ…!」
彼が喋り終わると、赤茶髪の男は黙ってうつむき、悔しそうな顔をして席に着いた。
すると、岸水雨斗はさっきとは別人のように明るく笑顔で言った。
「さっ!俺の話は以上だよ。質問のあるヤツは、さっきも言ったが幹部達に聞け!でわ。」
そう言うと、再びエレベーターに乗り、行ってしまった。
「ふ…ふざけんじゃねぇ…!」
赤茶髪の男はまだ怒りを押さえきれないようだ。
しかし、その事に少し不満を持っているのは皆同じだろう。
なにしろ、何も聞いていなかったから…。
「はい!雨斗長官の話も終わったし、今日はもう帰宅してもらおう。明日、皆学校だろ?」
隆さんは、明るく皆に呼び掛けた。
「そうだな。もう遅い。今日はここまでだな。」
隆さんの次に女の子の隣にいた黒ずくめの男が言う。
その日、俺達は皆帰ることになった。