夕方。 やや暗みがかってきた春の公園。 夜というにはまだ明るい。 まだ残っている柔らかな春の温もりに身を預けて、私めこと鈴原美月はブランコに座って本を読んでいた。 昨日図書館から借りてきたもので、暇潰しに丁度良いと思った次第である。 私が何故公園に居るのか。 理由は、まぁ、人を待っているから。 別に警察署の中でも問題はなかったけど、公園で静かに本が読みたかった。 …というか、警察署にそこまで居たいとは思わない。 生憎、Mではないのだ。