「分かり…ません…」 先生は黙って頷き「大丈夫」と一言残し、女の人と部屋を後にした。 分からない。 自分が誰かさえ分からない。 空っぽになった。 私は空の人形だ。 独り取り残しされたカンジがする。 怖い怖い。 不安に押しつぶされそう。 頭に響く心電音… 真っ白な天井… 気が遠のく… 未来は再び深い眠りに落ちていった