――鍵をかけた胸の奥の扉が危うく開きそうになる――。
澄み切った瞳と儚い笑み。
“奏斗は私の星なの。ギター馬鹿な奏斗が大好きよ”
記憶の中の星羅の言葉がよみがえる――。
どこにも行かないように、目の前にいる存在を抱き締めたくなった。
“愛してる”って、言えなかった分も伝えたい。
そう、目の前にいるのが星羅ならば……。
姿も言葉もそっくりでも、星羅じゃないんだよな――。
「俺はもう恋はしない。……雅臣や智也もいるだろ」
絶対に恋なんてしない。
俺はこの心の中に、もう誰も入れたくない……。
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