LOST MUSIC〜消えない残像〜



星羅は本の虫といってもいいくらい本が好きで、自分でもこのサイトで小説を書いていた。


星羅の夢は、そう、小説家になること……。


いつも俺に感想をせがむから、目を瞑ってもサイトに辿り着けるほど読みに行っていた。


作品名はどれも星にまつわるものばかりで、口元が綻ぶ。


星が大好きだった星羅らしいな――。


そして俺は一番上にある書きかけ作品を開く。


……しかし、やはり日付は変わっていなかった。


何度見ても、去年の秋で止まったまま……。


俺はその日付に目頭が熱くなって、ケータイを閉じた。