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何でこんなことになってるんだろうな……。
青い芝生に腰を下ろし、錫代と二人並んでいた。
錫代の必死な訴えに、突き放し続けるのが面倒になった俺は、こうして話を聞くことになってしまったというわけだ。
「あの、奏斗先輩は何でやめちゃったんですか……?」
重々しい言葉に横から感じる熱い視線。
「俺が、関係ない人間に話す筋合いはない」
俺が前を向いたまま言い放った時、風が吹いて木々の新芽を揺らした。
やっぱり、さっき言った言葉は少し間違っている……。
この世界に関係ない存在は俺の方だろう――。


