もう全部ないんだよ……。 このちっぽけな手はもう、何も掴めはしない。 馬鹿みたいに追ってた夢さえも――。 だって、星羅がいないのに、俺だけ夢見ていいわけないだろ……。 俺は何も存在しはしない空を見つめた。 「なぁ……、星羅。あの時のこと怒ってるよな……。」 許してもらえる資格なんて俺にはない。 ――俺はあの時、逃げ出したんだから――。 決して許されてはならない。 このくらいの罰、うけて当然だよな――。 ……だけど、あれも俺への罰なのか……?