全部、星羅がいたから頑張れた……。 俺がギターを弾けば、俺が歌を歌えば……、いつも星羅が笑顔を見せてくれた。 でも、星羅がいなくなったら、何のために音を奏で、何のために歌えばいい? ふと視線を落とせば、青白く貧弱な手が目に入る。 すっかり硬さを失った指先……。 親にせがんで買ってもらったギターを、……あのストラトを、押し入れに閉じ込めてからもうこんなに経つんだな。 あの頃はいつもギターと一緒なのが当たり前だったのにな――。 ……もちろん星羅も……。