俺等は『六等星』を、最後の一小節まで心をこめて奏できった。


惜しみなく注がれる歓声と拍手。


俺はスタンドのマイクをゆっくりとしっかり握り締めた。


「皆さん、今日はStellarのライブに来てくださり、ありがとうございます」


マイクを通し、スピーカーから流れ出た自分の声が辺りに広がっていく。


俺は一歩下がって深く一礼した。


そして、腕で額を伝う汗を拭って、再度マイクに向き合うと、心のまま言葉を紡いだ。


「一年前、俺はとても大切な人を失いました。生きる希望までも……」