LOST MUSIC〜消えない残像〜



「最高のライブにしような」


輪の中心に差し出された大きな智也の手。


「目一杯楽しむわよ」


それに重なる指の長い千秋の手。


「全力で行くぞ!」


そして、骨張った雅臣の手。


「い、一生懸命頑張ります」


遠慮がちに置かれた小さな錫代の手。


四つの手が重なり合って、今一つになり、四人の瞳が俺を待つ。


――俺は幸せだ。


最高なこいつらと夢を叶えにいくのだから――。


俺は自らの手をそっと重ねる。


「行くぞ、Stellar!!」


『オーーー!!』


俺等の声が響き渡る、天まで届くほどに。


そうして、俺等は再スタートのステージに駆け上がった――。