LOST MUSIC〜消えない残像〜



「おい、そろそろ行くぞ」


すると、雅臣の声が耳に届いて、俺等は待っている三人のもとへと駆け寄った。


気合いと興奮で煌めく瞳を見合わせて、暗黙の了解のように円陣を組む。


ライブ前の俺等の決まりごと。


ぴたりと肩を寄せ合って五人で輪を作る。


まだ駆け出したばかりの俺等の輪は、すごく小さいかもしれない。


でも、こいつらとなら、なんだってできる気がする。


だって俺等は仲間だから。


もう絶対にほどけはしないから――。



この強くかたい絆は――。