強い者には一生、弱い者の気持ちなんて分かりゃしないんだ。 大切なものが消えかかる恐ろしさなんて――。 「それは、こっちの台詞だ!星羅のこと分かっちゃいないのは、お前だろっ!」 「知ったような口きくな」 歯止めがきかなくなった俺は、怒りにまかせて雅臣と取っ組み合う。 一歩だって引きたくない。 雅臣なんかに負けたくない。 消え去った友情の跡にあるのは、醜い感情、ただそれだけ。 自分の愚かさなんて分かってる。 でも、これで負けたらもっと惨めになるじゃんか……。