そして、崩れるように俯いて額をあてれば、遣る瀬ない想いばかりが込み上げてきて止まらない。
こんな時、俺を慰めてくれるものはもういないんだ……。
肌身はなさず持っていた俺の片割れのようなギターも、隣にいることが当たり前になり過ぎていたお前の存在も――。
俺は溢れ出しそうな感情をせき止めるように、痛いくらいに歯を食い縛った。
……桜を見ていると、心の傷が痛みだす。
儚く舞い散る桜の欠片が、愛おしいお前の姿をよみがえらせるから――。
「星羅……。何で隣に居てくれねぇんだよ……?」
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