未だ雨は止むことはなく、もう夕飯の時間をむかえていた。
でも、一つ違うことがある。
いつもダイニングテーブルを囲む家族三人に加え、錫代がいることだ。
「まさかそこで会った子が奏斗の知り合いだなんて知らなかったわぁ。……そういえば、星羅ちゃんによく似てるのね」
おふくろはなんて無神経なんだろう。
料理を運びながら、余計なことばかり口にする。
泣いてる錫代を拾ってくるなど、本当にろくなことをしないんだ。
でも、面倒だから俺は余分な口出しはしない。
おふくろなんか口煩いだけで理解しようともしないのだから。


