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何で他人のこと気にしてんだろ……。
さっきの光景が脳裏にちらついて、俺の邪魔をする。
結局勉強が手に付かなくなった俺は、ベッドに身を預けただ薄暗い天井を見つめるだけだった。
するとその時、下から物音が聞こえた。
玄関扉の閉まる音が響いたと思えば、おふくろの喧しい声がこだまする。
「あぁ、こんなに濡れて!奏斗いるんでしょ?タオル持ってきて!」
そうだ、おふくろ買い物行ってたんだ。
自分で持ってくりゃいいだろうが……。
俺は渋々腰をあげ、一階に降りていく。
まさかこんなことになるなんて思いもしなかったけど――。


