LOST MUSIC〜消えない残像〜



「どこがロマンチックなんだよ?サボった二人が悪いんだろうが」


俺は星羅の可愛い顔を見つめていられなくて、ぶっきらぼうに目を逸らす。


「二人はそれだけ愛し合ってたのよ!そんな二人が七夕に再会するなんて素敵じゃない!」


目の端にうつったのは、ぷうっと頬を膨らませむきになる星羅。


すると、急に前が、より暗くなるのを感じた。


「ねぇ、奏斗――」


目の前にはいつの間にかちょこんと俺の前にしゃがむ星羅の姿。


そして俺の顔を覗き込みながら、こう問う――。


「もし私が織姫だったら、奏斗は彦星みたいに待っててくれる――?」