LOST MUSIC〜消えない残像〜



「なぁ、バンド名どうする?」


智也が冷静に指摘する。


夢に舞い上がってた俺等はデビューするとか言っておきながら、バンド名のことなんかすっかり忘れてたんだ。


すると、星羅がにっこりと笑いながらこう言った。


「ねぇ、私に付けさせて。実はもう考えてあるの」


星羅はすごく得意げに、人差し指をたてて無邪気な笑顔を見せる。


「“Stellar”ってどう?星のようなって意味があるの。デビューを目指すみんなにぴったりでしょ?」


星のような――かぁ。


星が好きな星羅らしくて、思わず俺は微笑んだ。