「ハイボールうめぇー」
「オヤジか美夢ちゃん」
「たこわさ鼻にくるねー」
「チーズあつっ!」
私も舞も食べている時が1番幸せ。今日の舞は、まっずい!とは言わない。と言う事は毎日食べている、お菓子も予想通り本当は美味しいと言う事だ。居酒屋なら誰の目も気にする事無く、沢山食べる事が出来るから。まっずい!と言う理由付けをする必要が無い。私の前で、まっずい!と言わないのは、私に気を使わなくなってくれた証拠だろうか。私の妄想は見事的中したと見た。
「あたしさぁ、あの子、好かんよ。何かウラがあるっぽくて」
「あたしが居ない間に入って来た子?」
「そ。亜紀って子」
「そーお?何かマジメそーだけど?」
「だって顔が笑ってるようで目が笑ってないもん」
「よく見てるね」
「新しい子入ると何となく注目しない?」
確かに。私も注目する。舞こそ真の痩せの大食いだから気にしていた。外に出れば人の目が気になり、自分が注目されていないか気になってしまうが、このバイトで私が注目するのは皆の体型と食事情だ。亜紀に感しては、まだ分からないけれど少し、ぽっちゃりしていて私と舞より背が低い。食事情は、まだ調べていないが私は安心している。私よりも、ぽっちゃりしているから。私は最低だ。でも亜紀は舞同様、人当たりが良さそうな印象が有るように見えるし、私みたいに眉間に皺を寄せておらず接客向きな笑顔をしている。私は間違った見解をしているのだろうか。舞が正しいのだろうか。