剛志郎の笑顔が可愛い事に気が付いた。
剛志郎の瞳が茶色い事に気が付いた。
剛志郎の声が気持ちよく響く事に気が付いた。
剛志郎の手がごつごつしている事に気が付いた。
剛志郎が私にだけ挨拶してくれる事に気が付いた。
剛志郎はいつも目を見て話す事に気が付いた。
剛志朗の家は意外にも私の家のすぐそばらしい。
一つの事に気が付く度に
私は「剛志郎」という人間の虜になった
二人でいる時間はとても短く感じた
もっと話したいのに
時間が私を待ってくれなくて
勉強、部活、寝る時間までを惜しんで
剛志郎との時間を作った。
寝るギリギリまで剛志朗とメール。
いつもの勉強時間は剛志朗と電話。
部活の事なんて忘れて放課後おしゃべり。
そうだ。これが恋だったんだなぁ・・・
なんだか懐かしい気持ちになった。
剛志朗が現れてから、毎日が変わった
今ではあのトーストにも味を感じる。
毎日がモノクロだった世界に鮮やかな色彩を与えてくれた。
「楽しい」という感覚を思い出した。
いつも、いつでも剛志郎は優しくて。
会う度話す度「好き」になった
・・・でも二人は友達以上にはなれない
剛志郎には彼女がいた。
F組のギャル、高坂ルカちゃん。
童顔で金髪の彼女は
「アリス」と呼ばれ親しまれていた。
私とは、真逆
私は剛志郎のタイプじゃないのは
薄々感じていたし、見ているだけでも
幸せだったから…