前に誰が言っていた言葉がある。




“ネットに依存する人間は、日常生活に何かしらの問題を抱えてる人間だ”




私はその言葉に妙に納得してしまう。




というのも私も問題を抱えているから…。




企業に就職して初めて知る社会に自分を保守しきれなくなったんだ。




つまり、ネットの世界に逃げ込んだって事。




ここでは嫌味な上司もいないし、無理な仕事を押し付ける先輩も居ない。。




ネットでは違う自分で…本来の自分で居られたから私は居心地が良かったんだ。




今居る現実に似たこの世界がゲームなら、私は自分を演じる必要はないのかな…




そんな事を考えてる間に私達は集落にたどり着いていた。




エルフの集落はとても小さかったが、みんな温かみのある人達だった。




すれ違う度に柔らかい笑顔を向けてくれる。




「フウカ!?何処に行ってたんだい!?長老さまが探してたぞ!」




心配そうに私にそう言ったのはエルフの青年だった。




私が「あ…うん」と曖昧な返事をすると彼は眉に皺を寄せてた。