─キィィィィィン…




また耳鳴りがした…。




─“これが最期です。運命を選択しなさい”




女神様の声ですら鬱陶しい…。




“A:運命を受け入れてエンディングを迎える。

 B:運命を受け入れずに抗う。”




ふ…ふふ…笑わせないでよ。




“運命を受け入れる”ですって?



私は受け入れられないからこのゲームに手を出したんじゃない!




「受け入れられないに決まってる…!“B”よ。」




そんなエンディングなんていらない。



スクリーンセーバーのカウントダウンタイマーは残り時間15分程だった。



皆が寝静まった家を後にすると真っ暗な闇をさ迷う。




どこかに私の望んだエンディングが絶対ある!




“運命”?




そんなもの信じない!




信じてたまるものか!




真っ暗な闇の向こうに一筋の光が見えた。



とても暖かい光…。



「…ほら…!運命を受け入れなくたって、私はやり直せるんだ!」




そして…。




私の運命は全て消えた。─




“貴方の選択によって運命が変わりました”




薄れ逝く意識の中で、サイレンの音に混じって…また女神様の声が聞こえたような気がした…。