一ヶ所しかない出入口を塞ぐように立つ私を彼女が睨んだ。




「…なんの用!?」




「あら、察しはついてるんじゃない?」




「…っ!」




どうやら図星ね…。




「単刀直入に言うわ。彼に付きまとうのは止めてくれる?」




「あ、あなたこそさっさと別れなさいよ!」




「私が?ナゼ?…彼、言ってたわよ?…あなたがウザいって。」



「う、うそよ!」



「うそじゃないわ…。彼が私に泣き付いて来たからこうして私がここに来たんじゃない。」




私が微笑みながら言うと動揺し始めた。



…本当にバカな女。



ゆっくり近付く私に彼女は震えながら後退していく。




「彼の浮気グセはいつもの事だけど、あなたみたいに聞き分けが悪い女は痛い目みないと解らないのかしら…?」




フェンスまで追い詰め、ポケットからカッターを取り出す。




カチ…カチ…



カッターの刃を伸ばすその音に、バカ女は泣きながら逃げ出した。