確かに彼を制裁したい気持ちもあった。
だけど、それよりも制裁したいのは“あの女”だ…!
「…ちょっと考えさせて…」
「…判った。…夜、電話するよ…」
それには返事をしないで私は家まで走って帰った。
そして階段を駆け上がる。
PCを操作して“ロード”ボタンを押した。
画面に警告音と共に新しいウィンドウが開く。
《セーブポイントまでロードしますか?》
私は迷わず《はい》をクリックした。
突如視界が歪み私は机に手を着いて倒れそうになるのを堪えた。
脳内にはずっと女神様の声が響いていた…
“運命の選択を─”と。
閉じていた目を開く。
PC画面には《ロード完了しました》と表示されている。
脳内には相変わらず女神様の声。
“早く選択しなさい”
「判ってる!確か選択肢は3つ…。」
最初はAを選んだ。
今回選ぶ項目はもう決まっている。
「“C”。彼女を制裁する。」
“貴方の選択で運命が変わりました。”
私はペン立てからカッターを取り出すと、制服のポケットにそっと忍ばせた。

