まだ言いたい事や聞きたい事はいっぱいあったが、意外と登校距離が短かったからすぐに学校まで来てしまった。
教室の手前で別れ間際に彼は言った。
「…放課後、ちゃんと話す。」
それだけ言って私の返事も聞かずに彼は自分の教室に入って行った。
所詮浮気なんてその場の感情に流されただけ。
私は余裕の笑みを浮かべた。
だが、それが間違えだった事に気付いた時には既に手遅れだった。
「ミチ…ごめん、俺と別れて…」
「…なに言ってるの?」
「俺…彼女との事、本気なんだ…」
私は“しまった”と思った。
選択肢を間違えたんだ…!
だが、時間は刻一刻と過ぎていく。
─キィィィィィン…
来た…!
“運命の選択をしなさい”
俯き頭痛に耐える私に彼が「聞いてる?」と優しく声をかけてくる。
“A:「判った」と彼と別れる。
B:「嫌だ」と彼にごねる─”
…どうしよう…?
“C:彼を制裁する。”
また選択肢は3つだった。

