誠-巡る時、幕末の鐘-




結界の外からも殺気が突き刺さってくる。


特に沖田には目も当てられない。


当然のように本人達よりも殺気だっている。


近藤を骨の随まで慕っているような男だ。


さもありなん。




「奏ちゃん、ここ通して。そいつらみんな、僕が斬るから」


「近藤さん達、侮辱されて黙っていられるほど人間できちゃいねーよ」




皆は口々にまくしたてた。


だが、奏はそれを聞かなかった。


片手を上げてそれを制した。




「平等を掲げるお前達が早々とそれを口にするか。……辞世の句を作る時間を与えていたが、もう必要ないらしい」




どうやら、許したわけでも、ましてや時間を無駄にしていたわけでもなかった。


奏は実際、今か今かと待っていたのだ。


その時を…………………この時を。


奏は刀を手に取った。


木の幹に立ち、剣呑な瞳を男達に向けた。