誠-巡る時、幕末の鐘-




「え、まさか」




隊士達の中に驚きの声が次々に上がった。




「総司だけが決着つかなかったんだよな〜」


「一君も惜しかったよな」


「だが負けは負けだ。惜しい惜しくないの問題ではない」


「あー、くそっ!! 総司だけずりぃよ!! 俺ももう一回やりて〜!!」




藤堂が子供のようにそう叫んだ時、奏がフッと笑った。




「そこの外野。ゴチャゴチャ言ってるようだが一つ忘れてないですか?」


「あ、許可証だっけ?」




沖田がいち早く答えを出した。




「正解。そろそろ終わりにしましょうか。朝食もまだだから腹が減った」




そう言い、奏は木刀を構え直した。


そういえば、起きてすぐに道場へ来ていて朝食がまだだった。