「さ、澪ちゃん。帰ったらまずすることは??」
「てあらい、うがい!!」
「はい、いってらっしゃい。響、一緒に行ってあげて??」
「分かりました。さ、行こう」
「うん!!」
響が立ち上がり、澪ちゃんの手をひいて広間を出ていった。
すぐに近藤と山南が視線をめぐらせた。
「何でみんなそんなに苦笑いなんだ??」
「まさか澪ちゃんに嘘を教えたんですか??」
子供好きな山南の顔が曇りだした。
ついていい嘘と悪い嘘があるというが、状況が状況だ。
今のは明らかに後者とは言えないのが山南を悩ませていた。
「いや、嘘はついていない。正確に言えば、思い出したというより、知ったっていうべきか」
奏の言葉に二人はますます頭を悩ませることになった。



