―――屯所、大広間




「ただいまかえりました〜」


「お帰りなさい、澪ちゃん」




澪ちゃんを連れた近藤達が奏達に遅れること半刻後、屯所に帰ってきた。


澪ちゃんがお行儀よく挨拶をしたのが聞こえてきて、奏も作業の手を休め、返事を返した。




「かなで!?かなでだぁ〜っ!!」


「うわっとっとっと!!」




座っていたので背中だけに来た衝撃に絶え切れず、持っていた鏡を落としそうになった。


両腕でしっかりと押さえ込んだので、なんとか無事だ。




「かなで、きおくもどったの!!?」


「まぁ、おおまかに言えば」


「本当かい!?」


「良かったですね。私達も一安心です」


「もどった、もどった!!」




近藤と山南の言葉に、奏を始めとして広間にいた者はみんな苦笑いだ。


それに二人は顔を見合わせ、首を傾げた。