「おい。お前達は下がってろ」
「しかし!!」
「あいつなら大丈夫だ」
そんな会話がされていた時、道場の戸がにぎやかな声と共に開かれた。
「おっ!! 楽しそうなことしてんな!!」
「ま〜たやってんのか?」
「昨日決着つかなかったからな〜。総司、結構負けず嫌いだし」
「俺も奏ともう一度手合わせしたい」
仲良し三人組と斎藤だ。
「あ、あの…永倉先生達も昨日試合なさったんですか?」
永倉の近くにいた隊士が恐る恐る尋ねた。
話の内容に引っ掛かりを覚えたのだろう。
その顔には戸惑いの色が出ていた。
「ん? あぁ。でもよ〜」
「な?」
永倉が頭をかきながら原田と顔を見合わせた。
原田も苦笑した。



