「でも寒いしね」




周りに姿を見られない、声が聞こえないだけで、気温は変わらずの冬の寒さだ。




「あぁ、寒い!!」


「寒いから頼む!!」




一筋の希望を見つけ、それに猛烈に突進していった。




「レオン、元老院にしょっぴいてそこで聞き出してよ。まだ自我があるうちに」


「そうだね」




誰の自我が、とは言わない。


そんなの……分かりすぎている。




「んじゃあ、行こう」


「そうだね。奏、彼を屯所まで運んでよ」


「了解しました!!」




やっと帰れるとあって奏の行動はいつになく素早い。


レオンもミエには甘い。


惚れた弱みだろうか。


いつもは全くおくびにも出さないが。


みんなはげっそりとした顔で屯所へと帰った。