―――芹沢達が帰った一刻後




「響、ほら、饅頭」




奏が後ろに置いていた包みから饅頭をとりだして渡した。




「ありがとうございます」




響はそれを受け取り、おいしそうに食べていく。


と、同時に何だか眠気が襲ってきた。




「あ、れ??お酒飲んだから??だんだん眠く……」




とうとう響は寝入ってしまった。


響に手渡された饅頭は、奏特製の睡眠薬入りだった。




「おやすみ、いい夢を」




奏は割れ物に触るかのように優しく頭を撫でた。


そしてすっと立ち上がった。


酔いはもうとっくに覚めている。