「ミエ様、余所の家では料理をしてはいけませんとあれ程申し上げていますのに」


「すいません」




現在、広間にて、奏のお説教中だ。


ミエは体を小さくしている。


どちらが主か分からなくなってしまった。




「あなた達もですよ」




奏は素知らぬ顔をしている元老院の課長達にも言い渡した。


第四課長、セレイルは気まずそうにしている。




「……ゴホ。奏も起きてきたことだし、裁定する」


「コリン、連れておいで」


「はい」




第三課長、カミーユが自分の傍らに座る副官に指示をだした。


コリンは静かに音もなく立ち上がると、広間を出ていった。


しばらくすると、煩い声がこちらへと来る。




「離せ!!」


「ええい!!小僧、言うことを聞かんか!!」


「離せというに!!」




奏は襖が開けられる前から誰だか分かっていたので、一瞬で表情を消した。