「あいつは最初から気に食わなかったぜ。奏は連れて帰るだぁ?寝言は寝て言いやがれ!!」
まだ続く。
「大体、響のことだって気に入らねぇ。あんなまだ男も知らねぇようなガキを一人江戸に残して京に来やがって」
まだ続く。
「お前は人の心を知らねぇただの鬼か?奏も響もそんな奴に世話されてたんじゃ可哀相でならねぇな」
まだ続く。
「いくら力を持ってようと大事な存在一つ守れない男なんざ、男として無能だな」
まだ続く。
「そんな奴に奏を渡してたまるか!!」
ハァハァと息をついた。
一息に言ったので苦しかったのだろう、肩がせわしなく上下している。
「言いますね、土方さん」
「ですが……肝心の雷焔君が」
これだけ言っても奏は現れなかった。
当然だ。
もう半刻前にここを離れているのだから。
だが、土方達はそれを知らない。



