誠-巡る時、幕末の鐘-




「いい機会だ。日頃思ってることを吐き出しちまえ!!」




土方の言葉に、みんな一様にニヤリと妖しい笑みを浮かべた。




「雷焔君はあなたが預けたのに、こんな時に出てこないとはどういうことだ?」


「前から思ってたけど、奏ちゃんのあの気位の高さは主譲りだよね」




近藤と沖田が口を開いた。




「おい。それじゃあ、ただの質問と感想じゃねぇか」




土方が呆れたように言う。




「彼女とは余り接点がないのに、どうやって悪口を言えと言うんだ?」


「……確かにそうだな」




近藤が困ったように言うと、土方も納得した。


自分達には、これといって不満はない。


むしろ、ミエは響の父親を説得するために奏に力を貸した。


自分達にとっては感謝こそすれ、悪口なんて浮かんでこない。




「じゃあ標的変更して、響の父親にしたらどうだ?」




原田が手をポンッと叩いて言った。




「いいねぇ。俺もあいつには色々とあるぜ?」




土方も妖しく笑う。


余程日頃の憂さが溜まっているらしい。


深く息を吸い込んだ。