奏は自分の名を呼ぶ声に目を開いた。 するとそこには心配そうにしている土方達の姿があった。 「どうしたの?奏ちゃん、泣いてたよ?」 「どこか具合でも悪いのですか?」 奏は口々に言う沖田と爺に何でもないと言い、床の準備をしようとする斎藤をとめた。 「少し…懐かしい夢を見ただけ」 爺は目を細め、奏の頭を撫でた。 珠樹の記憶は、目覚めたと同時に再び記憶の奥底へとやられた。