「さぁ、行こうか」


「兄様達、私がどこに行ったか分かる?」


「大丈夫よ。桜が教えてくれるわ」




それを聞いて安心したのか、奏は今度こそ本当の眠りについた。






少し離れた木の横に、こちらを向いて頭を下げている男女の姿があった。


そして…今、沙凪に抱かれている奏の頭を撫でている男女は優しい顔を浮かべていた。




「龍雅さん、蓮樹さん。奏ちゃんはローゼンクロイツ・天宮が確かに預りました」


「ご心配なさらないでください。……あなた方もたまに会いにいらっしゃって下さい」




紫苑が木の横にいる旺輝と輝耀に呼びかけた。


奏の頭を撫でていた龍雅と蓮樹は




『ありがとうございます』




そう言い、光に包まれ…消えた。