「これみんなにお土産にしよう!!兄様、肩車して?」


「あぁ。ほら」




奏は肩車を彼方にせがみ、手を伸ばした。


そしてさっと桜の花を四個摘んだ。




「奏、もう帰ろうか。花が萎(シオ)れてしまうよ?」


「うん!!また来ようね」


「そうだね。また来よう」




馬に乗って、二人は帰路についた。


ご機嫌な奏の後ろでは、彼方がその様子をジッと見つめていた。