「いいや。あ、あと菓子にも謝れ。本来ならば紫苑様に謝れと言いたいところだが」
奏は首を左右に振り、溜め息をついた。
「あのお方をお前達のような礼を失する者の前においで頂く訳にはいかないからな」
奏は三人を一瞥すると、鼻で笑った。
「か、菓子に!?」
菓子にまで謝れなど聞いたことがない、と三人は狼狽えた。
自分の自尊心が許さないのだろう。
目が揺らいでいる。
(あいつ……甘味の食べ過ぎで死ぬな)
土方達は呆れを通り越して、感心するまでに至っていた。
それほどまでに奏の甘味への愛情のそそぎっぷりは凄い。
もはや大好きではなく、愛しているといっても過言ではないだろう。



