誠-巡る時、幕末の鐘-




「なんだ?まだ足りないか?お上から命(メイ)が下るのと、今この場で土下座して謝るのと、死因を選ぶの。どれがいい?」


『…っ!!すまなかった!!』




凄まじいまでの差がある三択を選ばされ、迷うことなく土下座の道を選んだ。


自分で切腹以外の死因を選ぶという光景は滅多にないだろう。




どれを選ぶか楽しみだったのにな〜。




奏は結構この状況をそれなりに楽しんでいた。




「近藤さん。この程度で足りるか?」


「あ、あぁ。もう十分だよ。すまないな」




近藤は苦笑した。


無理もない。


相手は自分達よりも身分が上の旗本。


本来なら土下座をされるような身分ではないのだ。


それを“この程度”で済ませてしまって大丈夫なのかとこちらが不安になった。


心臓に悪い悪い。