「……さて。うまく立ってたな。死角で響からは見えなかったようだ。……何してる?」


「貴様! 何者だ!」




そこには見知らぬ男五人と、土下座をさせられている近藤、周りに土方達の姿があった。


そして近藤の頭に、見知らぬ男達の中で一番偉いらしき男が片手を押さえ付けていた。




「何者って……あんたこそ誰?」


「何だと!?」




いや、何だとって言われてもこっちからしてみれば、よそ者はそっちだろ。




「人に名を尋ねる時はまず自分から。そうお母上に教わらなかったのか?」


「貴様っ! 我らを侮辱するか!」


「侮辱? 何言ってる。侮辱じゃない。馬鹿にしてるんだ」




奏は鼻で笑い、男を睥睨(へいげい)しながら言った。


奏にとってこの男達は、至福のおやつ時を邪魔する奴ら以外に認識されない。




「貴様! ……ここの局長は部下の(しつけ)もできぬと見える。上に立つ者として情けない」




その瞬間、辺りの空気がガラリと変わった。