「これは何の騒ぎだ? ……今度は総司じゃなかったのか」 一人の男が、道場の方から歩いてきた。 斎藤だ。 どうやら稽古をしていたらしい。 手拭いで汗を拭(ぬぐ)っている。 「一君。僕だっていつもいつも土方さんと一緒に鬼ごっこしてる訳じゃないんだけど」 「見解の相違だな」 沖田は心外だと言わんばかりに目を細くした。 だが、今朝もやっていた。 沖田と土方は。 それこそ今とは比べものにならないくらい激しく。 その時、土方に襟首を掴まれ、まるで猫のようになって奏がやってくるのが見えた。