久しぶりに見るアキラ……フェンス越しに向き合って、懐かしさに胸が躍る。

 俺の事、覚えてるだろうか、そんな期待を胸に抱いてた。

「お前、俺の相手しねぇ?」

 でも、やっぱアキラは覚えてないようだった。

「はぁ?」

 そんな訝しげな声が返って来た。でも、それでもいい、前みたいに陰でこそこそ見てるだけじゃなくて、俺は今、泣いてるこいつを励ましてやりたい。願わくば、友達になりたい。触れたい。子供のくせに、そう思ってた。

 アキラは不審がっている。覚えてないんじゃそりゃそうだろ。アキラは思いっきり踵を返して、帰ろうとした。

 ダメだ、今、ここで離れたら、一生会えなくなるかもしれない! そんな大袈裟な気持ちが前に出て、思わず呼びとめた。

「ちょっと待て」

 俺は慌ててコートを出て、アキラに駆け寄る。

 捕まえなきゃ、今、捕まえとかなきゃ!

「おい!」

 その勢いに任せて、俺はアキラの腕を掴んで、無理やり振り向かせた。

 久しぶりに触れた感触に、俺の鼓動が一気に高鳴る。

「何すんだよ、放せよっ!」

 放さない……絶対に、この腕を放すもんか。

「いいから、ヤな事、忘れるぜ」

 そう言って、俺は無理やりコートに引きずり込もうとした。

「待て待て待て! 誰がやるっつった?!」

「え? 俺」

 拒む腕を何とかコートに引きずり込んで、あの時のアキラのように、俺は笑顔で言った。



「やろうぜ」