もう何発叩かれたかわからない――。 腕とかには痣ができてる…。 ―――パシンッ。 その音が聞こえたけど、痛みはない……? 「いい加減にしろよ。今さら来たかと思ったら、また愛理に手ェ出して…。これ以上愛理を苦しめるなら、アンタは母親じゃねぇよ」 兄貴が母親……いや、アイツのほっぺたを叩いた。 「母さん……今すぐここから出ていけ…。そして、もう愛理の前には自分から姿を見せるな…」 アイツは「また来るから…」と言って、この家を出ていった。