「もしもし、春子?…あたし、かれん。久しぶりー。こんな時間にごめんね。…うん、いや、そんな重要な話ってわけじゃないの。いや、重要か。ごめん、やっぱ結構重要な話だわ。あは、ごめんってば。

あのさー、……ほら、あたしあのさ、お母さんいたじゃん。うん……そう。え、なんだ、知ってたんだ。……そう。

……一ヶ月前。……あたし、親戚の間たらい回しにされてさ。って言っても、たらい回しにされるほど親戚いないんだけどね……。ここ、笑ってもいいよ。

東京にね、お父さんがいるんだ。そう、離婚してたお父さん。ま、今は東京の雑誌系の仕事をしてるっていうのしか知らないんだけど…そもそもあたしが小さい頃に家出ていったからさ、私にどうしろっていうのって話。

ごめん、話ずれた。親戚のいとこの人……『ナオちゃん』って言ってたなぁ、確か。たらい回しにされた末っていうのもあれだけどさ。その人の家にしばらく居候させて貰うことになったの、私。ほら、うち貧乏じゃない?だから、しばらく少しの間だけ居候させてもらうの。…で、