それが気に入らないのか、ジタバタと手足を動かす克。


「離さんか!我は持ち上げられるのは嫌いじゃ!」


「少しは大人しくしろよ。うぉっ、手ぇ引っ掻くなよー。」


「な、なんで猫が喋ってるんだ?猫の皮を被った人間か?」


「被れないよ、新ぱっつぁん。」



動じてない原田に、訳が分からないという顔をして動揺している永倉。

そして、そんな永倉に突っ込む藤堂。



「あ、あのー。」


そんな状態の三人(と一匹)に、おずおずと話しかける楓。


「その猫……私の父です。」


その言葉に、一瞬固まる三人。
言われたことに、頭が追いつかないのだろう。


「え…、おい。頭大丈夫かー?」


「目の焦点は…あってるよな。」


「僕、楓はまともな人だと思ってた。」


「っ、私は正常です!」



どうやら、三人は“楓がおかしくなった”と判断し、好き好きに言ったので、楓は叫んで反論した。