主人が持ってきたのは、黒や藍色といった落ち着いた色の着物と、紺色の袴が一着。
「嬢ちゃん、男の格好してるけど、おなごだろう?だから、男物と女物の着物と袴を選んだが…どうだい?」
それを聞いて、楓は長く生きた人は鋭いな、と思うのと同時に、主人が選んだ着物に感嘆していた。
(…綺麗。)
手で触れてみると、その上等さが分かる。
「嬢ちゃん、落ち着いているから、こういう色にしてみたんだ。」
「いいですね、楓さんに似合うと思いますよ、僕は。全部でいくらです?」
「…苦労しているみたいだから、無料とまではいかないが、半額にしとくよ。」
主人の配慮により、安く購入でき、楓と沖田は丁重にお礼をして、店を出た。



